爽塾ブログ
【作詞教室・爽塾】2024年前期_Lesson07
2024.07.08

私こと、吉里颯洋がオンラインにて主宰している「作詞教室・爽塾」。

レッスンの記録を残すと共に、受講生の皆さんにスキルアップのためのアドバイスを改めて送るための当ブログの記事ですが、面識のない方からもリアクションを頂くことがあり、うれしい限りです。作詞をしている、またはこれから始めてみたいという方に、なにかしらのヒントや刺激になれば幸いです。

カリキュラム変更の意図とは・・・

今教えている生徒さんは「平日コース(月曜日の夜、隔週開催)」の1名のみ。生徒さんが複数いれば、それぞれの生徒さんの成長具合に合わせて、中庸を得たカリキュラムでレッスンを行うことがマストになるのは必定。このタームで3期目に当たる生徒さんは未完の課題をそこそこ抱えているため、4月からスタートしたタームの半分を過ぎたところで、以下のようにカリキュラムの大幅変更を行いました。

旧カリキュラム)

数回の座学の後、「課題曲を聴き、どんな歌詞を書くか企画を練る→その曲に合わせて書いた歌詞を提出、レヴュー(講評)を受ける」レッスンを繰り返し、半年間のうちに4曲分の課題曲に作詞を行う。

※継続受講せず、半年ジャストでレッスンを終える場合は、この内容となります。

新カリキュラム)

座学についてはいつも通り終え、通常のルーティーンの新たな課題曲へのトライも幾度か行いましたが、新たな課題曲へのトライはいったん停止としました。書きかけの歌詞を仕上げるため、「テーマが明快で歌いやすいサビを作る」という目標に添って、できる限り、歌詞の仕上げのプロセスをレッスン内で実体験してもらうことを主眼に置き、レッスンを行うこととしました。新たな課題曲への取り組みについては、未完の課題がすべて完成した後で余裕があればトライすることに。

怒涛のレヴュー5連発の内容公開

以下、今回のレッスンで未完の歌詞に対して行ったレヴューの一覧です。新カリキュラムで展開する「歌詞完成のための集中講義」が生徒さんのスキルアップにつながり、「この先ずっと、作詞を続けていきたい」とモチヴェーションが上がると素敵ですね。

▼「空と風と君のシンフォニー」

2回のリライトを経て、3度目の提出。オーケストラで知り合った音楽家同志のラヴストーリー。恋人に先立たれたヒロインの哀惜の念がメインテーマです。今回リライトされたフレーズで、恋人が他界したことは表現されているのですが、彼との距離感をどんな聴き手にもわからせるには、より直接的な「天国」という表現の方がふさわしいように思います。なるべく、歌詞の冒頭でそれが分かる方がベターだと、該当箇所の見直しをアドバイス。

▼「My starry star」

今回が2度目の提出でした。「天文学者になり、自分だけの星を見つけたい」と夢見る沖縄在住の少年の心情を描く作品。今回のリライトで歌詞に具体的な星座の名称を入れることで、リアリティが向上。サビのラストに1文字字足らずの箇所があるため、まずはそこを底上げしましょう。また、2番をどう展開させるのかをきちんとプランすることで、全体のクオリティが上がります。成長途中の作品なので、タイトルも含め、大幅な変更は大歓迎と伝えました。

▼「愛のふるさと」

2回リライトして、制作ペンディング中の作品。群馬県出身で都内の出版社勤務の女性が、忙しない日常の中でふと望郷の念に駆られるストーリー。生徒さんが爽塾で作詞を学び始めた頃の作品なので、手つかずの状態になってからかなりのブランクが空いています。そうした理由から、スキルアップした今の自分で全編をリライトする方がベターでしょう。フレッシュな気持ちで再トライを。

▼「Yes」

5回のリライトのすえ、6度目の提出でついに完成!恋愛下手な女性が年下の誠実な男性に愛され、プロポーズを受諾するハッピーエンドのラヴソング。表現の選択をあれこれ迷った箇所については、レッスンで検証を行ったうで最終決定しました。完成した作品については、別途掲載いたします。

▼「見果てぬ夢」

メジャーデビューするという夢を捨てきれず、35歳にして上京したシンガーの物語。生徒さんの実生活から離れた世界観であることもあり、以下のようなスペシャルメニューの課題をこなして、ただいま制作はペンディング中。

1)主人公が愛聴している想定で講師の私が作ったロックンロール・ナンバー中心のプレイリストをシェアしてもらい、主人公お気に入りの歌詞のフレーズを想像して抽出。

2)上記プレイリストの楽曲と「見果てぬ夢」を混ぜた6曲でライヴを行うと想定し、セットリストを作成。

3)主人公が新宿在住と仮定し、アルバイト先の有楽町のバーまで通勤する途中で目にするであろう光景を主人公の視点でスケッチして提出。

完成までの施策としては、これまで企画書や課題制作から生まれたフレーズの中で魅力あるものをこちらで指定し、それを有効に使った作詞を提案しました。

 

ということで、いつにも増して濃厚なレッスンでした。

生徒さんに実感してマスターして欲しいのは、「歌詞の仕上げのプロセスで迷った時、困った時にこうやって仕上げればフィニッシュできるのか」という最後のひと押しのあの手この手、あれやこれやです。残りの3ヶ月でぜひ、苦しくも楽しいこのプロセスをマスターして欲しいもの。

次回の課題提出が楽しみです!

 

Power to The Songs!


歌に力を!

 

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かつて、辻仁成さんが主宰していた「人間塾」に参加するため、四季折々に幾度か通った京都芸術大学。どっぷり味わったことはないのに、祇園祭の季節になると、この辺りが恋しくなります。訳あって、このエリアをとても愛していますので、年内に再訪できれば。


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