爽塾ブログ
【作詞教室・爽塾】2024年前期_Lesson08
2024.07.22

生徒さんの声も交えながら、2024前期8回目のレッスン・レポートをお届けします。

この日は、湯治のため訪れた秩父のホテルからレッスンを実施。出先からのレッスンは初めてでしたが、オンラインレッスンならではのメリットを感じました。先々、こういうことが増えるかもしれません(笑)。

さて、昨年4月から爽塾で学び始めた受講生の kotonohaさんは、半年のクラスを修了した後も、ずっと継続して受講してくださっています。半年間のタームというのは意外と短く、タームの後半に取り組み始めた課題はそのタームのうちには完成しないのは無理からぬこと。そこで、未完成の課題が溜まっている現状を踏まえ、完成のゴールを切るまでの「最後の一押し」を実地に体験してもらうために、新しい課題制作はいったんストップ。現在は、可能であればレッスンのその場で歌詞を完成させることを目標にレッスンを行っています。

この日のレッスンで修正を行なった課題2つの修正プロセスを、以下にご紹介します。

 

レッスン・ダイジェスト

♪空と風と君のシンフォニー

4度目の提出となった本作は、地方のオーケストラで知り合った音楽家同士のカップルのラヴストーリーながら、恋人の彼に先立たれてしまったヒロインの喪失感と、彼女が緩やかに立ち直っていくプロセスがテーマ。いわゆる単なるハートブレイクを描くトーチソングとは一線を画し、歌詞の一言一句にデリケートさが要求される作品です。

ポップソングの場合、全体の尺が数分程度ですから、最初の1コーラスで歌のシチュエーションとテーマが明確に伝わらなければ、リスナーは聴くのをやめてしまうことがほとんど。つまり、描きたいストーリーの重要なポイントは歌詞の序盤で明快に伝えるのが必須ポイントです。この作品では、「ヒロインは生きているけれど、他界した恋人は天国にいる」ということがプライオリティの高いポイントなので、歌詞の冒頭にある

 ♪語り合った夢を 空の上でまだ君もともに追いかけて

というラインの「空の上で」というフレーズを、以下のようにさらに分かりやすい「天国」というワードに置き換えるリライトを行いました。

 ♪語り合った夢を 天国の君もきっと ともに追いかけて

その他の微調整も加え、歌詞が完成!

♪Starlight melody 〜僕だけの一等星〜

「大自然の中で暮らす沖縄在住の少年が星空の美しさに魅せられ、天文学の世界を志す」という夢のあるストーリー。この作品もまた、主人公の年代性別などを考慮すると、大人の女性の作者からすれば少々遠い世界を描くトライにつき、「主人公の好きな星座を具体的に想定する」という特別メニューの課題をこなしたうえで3度目の提出となりました。

サビの最後の行の重要箇所に選ばれたワードがテーマにそぐわなかったので、レッスンの最中に完成させる試みを行いました。ここでハードルになるのは、英語のフレーズの作り方でした。底上げを行なった箇所、内容は以下の通り。

  ♪あぁ いつの日か 出逢えるよね    

 夏の天の川のような

 僕だけの starlight melody  Dear My Precious Star

 

英語のフレーズ、どう仕上げた?

そもそもですが、英語を使わずに済むのであれば、無理に使う必要はまったくありません。ただ、どうしても英語のフレーズしかメロディにハマらない、その他諸々の事情で英語のフレーズを使いたいのであれば、

・歌詞とメロディがきちんとフィットしていること

・前後のフレーズとの意味的なつながりも含め、文法的にも正しいこと。

 ※スラングを使う場合も、ネイティヴの方に通じるレヴェルでなければ意味がありません。

・ポップミュージックの歌詞のフレーズとして陳腐でないこと

といった条件をクリアする必要があります。要は、間違った文法のでたらめな英語のフレーズをこれみよがしに使っても、メロディが台無しになり、歌詞のクオリティを下げるだけなので、おすすめしません。

今回の修正に当たっては、サビの最後のラインにある絶対外せない「star」というキーワードにプラスする形容詞として「precious(プレシャス:貴重な)」 を選び、さらに適切なワードを加えて、タイトルとなるフレーズを作って仕上げとしました。タイトルとなるフレーズにグレードアップして仕上げとしました。この場合、「precious」というワードを選ぶところまではkotonohaさんが独力でできましたから、自分がサポートしたのは「適切なフレーズ(Dear My )を加えた」プロセスです。「Dear My〜」という言い回しを知らなければ、このフレーズは出てきません。

元々、英語が得意、洋楽も大好きという人なら、これぐらいの英語のフレーズを歌詞に織り込むことは難しくないでしょうから、「英語なんてさっぱりわからない」という方へのワンポイントアドバイスを次項でご紹介します。

 

英語のフレーズ、どうやったら書ける?

「人間は知っている言葉しか使えない」のが大前提ですから、たとえ短くても英語のフレーズの作成にあたっては脳内に「英語のフレーズのストック」が必要です。 ただし、昨今のJPOPのヒットソングで使われる英語のフレーズのクオリティを鑑みても、間違った文法の英語のフレーズは絶対NG。ですので、「まずは英検2級は取りましょう!」というのは冗談で(笑)、いや、それくらの英語力があれば望ましいですが、そうではない方のためのアドバイスは以下の通り。

・長期的なタームでスキルアップを図るなら、「意味を理解したうえで、好きな洋楽アーティストの名曲を歌詞を歌いながら聴く」というドリルにトライしてみてください。「1日1回、同じ曲を1週間続けて」みたいなペースで良いかと思います。口ずさみながら覚えてしまうぐらいになれば、しめたもの。「洋楽になじみがなく、誰を聴いて良いのかわからない」という方にはメロディがポップで覚えやすい、ビートルズやカーペンターズなどがおすすめです。あるいは、JPOPのアーティストに好きな人がいれば、その人のルーツミュージックをたどってみるのも一興でしょう。とにかく、これを繰り返して英語のフレーズのストックを脳内に貯めておけば、いざという時のサポートになります。

・「英語はさっぱりだが、今すぐ、どうしても英語のフレーズを使いたい」という場合は、長いフレーズはあきらめてオンラインの辞書なりを活用して、使えそうな短いフレーズを作ってみましょう。その際、入念にチェックすべきは大切なのは、意味と発音。前後のフレーズとスムーズに意味がつながり、英語として正しいのはもちろん、発音した際にメロディにフィットすることを念頭に置いてください。メロディに乗せた時に元のアクセントとズレてしまうならNG。潔く、別のフレーズを模索しましょう。

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生徒さんのコメントを以下にご紹介します。

こんなプロセスを経て、今回のレッスンでは2つの課題が完成。完成した歌詞は随時公開していくので、お楽しみに。

講師のサポートで課題が完成した場合、「どこをどんなプロセスで仕上げたのか」をよくよく覚えておき、自力で作品を完成させる際にそれを応用することが肝要なので、受講生の方はご留意のほどを。

自分なりに濃厚なレッスンを実施している手応えはありますが、このタームもあと2ヶ月で修了。残った未完の課題をすべて仕上げて、最後にもう1曲、新しい課題曲にトライしたいところですね。

Power to The Songs!

歌に力を!

 

※秩父のお宿はこんな感じ↓。大好きな美肌温泉に癒された数日間でした!

 


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