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※原題:ShinSekaiYori
作詞:kotonoha
作曲:田村信二
1A)
拍手と歓声 狭いステージの上で
魂震わせて 今夜も叫んでる
1B)
この決意 笑わずに
くれた声援 決して忘れない
1C)
遠くに 見果てぬ夢を
信じて 挑み続けながら
一緒に連れて行くから
もっと高い場所へ 必ず
2A)
ネオンがむなしく光る 眠らない街で
もがいて 傷ついて それでも追いかける
2B)
現実が 突き刺さる
俺の期限は いつまであるのか?
2C)
遠くに 見果てぬ夢を
信じて 歌い続けるけれど
無情に 落ちてく砂を
必死にかき集めて 必ず・・・
3A)
さびれた店先 酔って潰れてる男
未来の俺なのか? 自分に問いかける
3B)
生ぬるい風が吹く
光と闇が うごめくこの街
3C)
★遠くに 見果てぬ夢を
求めて 焦がれ続けるから
意地でも ここで終わらない
強く掴め 明日(あす)を この手に
4C)
★Repeat
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本作は、歌詞が仕上がるまでに生徒さんがさまざまな種類のメニューをこなし、教えるこちらも多様なディレクションを施してようやく完成した作品。制作期間はおよそ半年ですから、一言で言えば労作でした。「生徒さんご本人の実像からかなり遠い未知の世界を描いた」という意味では、ささやかな爽塾の歴史の中に残る作品に仕上がったかと思います。昨年の4月から爽塾で作詞の勉強を始めた生徒さんがこれまで書いてきた歌詞のほとんどが大人の女性目線のラヴソングだったことを思えば、この作品で新境地を開拓できたこと、まだ改善の余地こそありますが、「現実が突き刺さる 俺の期限はいつまであるのか?」のように心に刺さるフレーズが書けたのも大きな前進と言えるでしょう。
この作品が労作たる所以をご説明します。爽塾で行う作詞の通常のプロセスは、課題曲を聴いてどんな歌詞を書くのかを構想する企画会議をレッスンで行なった後、「歌詞を提出→レッスンで講評を受ける→リライトして再提出→レッスンで講評を受ける」ということを繰り返して歌詞を仕上げていくというもの。ただ、この作品は一筋縄ではいきませんでしたね。最初に生徒さんが思いついた構想(歌詞のバックグラウンド・ストーリー)が「メジャーデビューするという夢を捨てきれず、35歳にして上京したシンガーの物語」という内容で生徒さんの実生活から離れた世界観であること、ロックナンバーにふさわしいテーマであるにも関わらず、生徒さんはロックを聴いた経験がほとんどないという理由から、主人公の心情をリアルに感じてもらうため、そして歌詞にリアリティという光を灯すべく、次項に示す通り、ありとあらゆる無理難題(笑)、いやトレーニング・ドリルとも言うべきメニューにトライしてもらいました。
完成まで長い時間がかかりましたが、生徒さんが「自分を励ましながら夢と格闘する不撓不屈のガッツマンを描きたい」と思いついたこと自体がとても尊いなと思います。なぜそんなアイディアが思いついたのかは知る由もありませんが、音楽の神さまがこの作品を書かせるために、インスピレーションを天から降らせたのかも?
レッスンで話した通り、未決に終わった「キャッチーでインパクトのあるタイトルを!」という底上げ可能ポイントには、これから着手する課題の中でも引き続き挑んでくださいね。「途中でくじけることなく、よくがんばりましたね!」と、最後までがんばり抜いた生徒さんを労っておきます。お疲れさまでした!
▼スペシャルメニューあれこれ
01:主人公が愛聴している想定で講師の私が作ったロックンロール・ナンバー中心のプレイリストをシェアしてもらい、主人公お気に入りの歌詞のフレーズを想像して抽出。
02:主人公が、1)のプレイリストの楽曲と「見果てぬ夢」を混ぜた6曲でライヴを行うと想定してセットリスト(曲順)を考案。
03:主人公が新宿在住と仮定し、アルバイト先の有楽町のバーまで通勤する途中で目にするであろう都会の光景を主人公の視点でスケッチして提出。
▼最終ディレクションは・・・
以上の課題を終えた後に行なったアドバイイス、ディレクションは以下の通り。
・これまで企画書や課題制作から生まれたフレーズの中で魅力あるものをこちらで指定して、歌詞に生かすようアドバイス。
・「季節感、主人公のキャラや立ち位置」など、重要な前提条件はなるべく歌詞の冒頭でリスナーに提示する必要があるため、以下の要領でリライトを指示。
1) レッスンで書きかけた2番の「ライブハウスでのライブシーン」をまず仕上げて
2) 1番と2番の歌詞を入れ替え
3) 3C(3番のサビ)を仕上げる
4) 現状のタイトルが悪いという訳ではありませんが、よりオリジナリティのあるタイトルがあれば、変更もOKです。
※写真下:本作の主人公にはおなじみかもしれない新宿の街角。講師の吉里颯洋が育った街でもあります。