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座学→替え歌制作というプロセスを経て、いよいよ、「田村信二さんの貴重な未発表曲に作詞をしていく」という爽塾のメインコンテンツへと進んでいきます。著作権の関係で課題曲をお聴かせできないのが残念ですが、1曲目の課題曲はゆったりとしたバラードです。
以下、生徒さんの許可を得て、歌詞とレビューの一部をご紹介します。「そもそも、作詞教室の授業って何やるの?」と思われている方はチェックしてみてくださいね。
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曖昧な偶然
作詞:沢村正一
作曲:田村信二
1A)
エキナカのカフェで 頬杖ついてる 今日も
冷めてく紅茶
黄昏の街は オレンジから青 熱を ←1Bの歌詞に繋がる要因を描きたい
塗りつぶしてゆく ←字余りでは?
1B)
夜中のCallも 突然のキスも ← Callはカタカナ表記推奨。
わたしだけが 本気にしていたみたい ずっと
1C)
曖昧な偶然 あなたが見てたものは ←1文字、字足らず?
私じゃない よく笑う子
残酷な戯言(たわごと) 「明日(あした)も会いたいな」 ←要フリガナ。
彼氏のフリ 彼女の真似
わかっていたはずなのに
2B)
愛は何回も 恋は一回も
確かなもの 何一つなかったのに ずっと
2C)
曖昧な偶然 繰り返してみても
必然には ならなかった
味のない紅茶と 色のない思い出と ←1文字、字足らず?
Callしても キスをしても
二人はずっと 偶然
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【総評】
1)印象
▼企画書では「別れ」の場面を設定していて、「片思い」というテーマも記載されているのですが、それらしき表現はなく、そこまでを描写するのに尺が足りなかったような印象です。せっかく思いついた企画ですから、リライトしつつ、完成に近づけていきましょう。
前提条件として、こちらのチェックポイントの6割程度をクリアしていれば、企画を設定した時点で皆さんの企画に優劣はありません。しかしながら、「いかにその企画を歌詞に落とし込むか?」ということが爽塾で学ぶことの意義でなので、そこに注力していきましょう。今回の課題曲で言えば、サビのメロディの盛り上がりどころがファルセットも使いつつ歌われている事実をくみ取り、例えば「別れに感じる切なさ、うまくいかなかったことへの悔しさ、悔恨」のような、感情の起伏を感じさせる表現が欲しかったです。
2)修正希望点
▼こちらの指示漏れなので申し訳なかったのですが、サビのパートはもう1回追加(計3回)して書き足してください。
▼前回に比べると、サビの強度は若干上がった感がありますがま、だまだインパクトが弱いので、「もし3回あるサビがすべて同じフレーズなら」と仮定して、テーマのすべてをそこに集約するイメージでサビを再考するといいかもしれません。
リスナー目線でもっと知りたい、聴きたい内容を挙げてみると、
※偶然出会ったふたりは、どこでどんな風に出会ったのか?
※片思いだったヒロインは、相手のどこに惹かれていたのか?
※うまくいかなかった原因は何なのか? どこでどう歯車が狂って、それをどう捉えているのか?
※「形だけの恋愛ごっこはもうやめよう」と思い至ったきっかけ、要因は何なのか?
※この関係を終わらせて、ヒロインはどうしたいのか? 恋愛に至らず終わってしまった、この関係はどんな位置付けなのか?
▼テキストに記載がないですが、ポップソングの宿命、命題として、「できる限り、歌い手を魅力的に見せる」ということがあります。この作品に当てはめてみると、無理にハッピーエンドにしろとか、無理にポジティブなラストにしろということではなく、「あぁ、こういうことってあるよね」的な共感をリスナーの心に喚起させることができれば望ましいので、そこを目指しましょう。
その他、いくつか参考になるヒット曲の歌詞などもご紹介しました。
次回取り組む課題曲は楽しげなアイドルポップスなので、「男性ボーカルの自分のバンドでは男くさい歌詞にせざるを得ないので、まったく別ジャンルにトライしたい」とおっしゃっていた沢村さんの念願がかないますね! 今回講評した「曖昧な偶然」のリライトも折を見て取り組んでみてください。再提出、待ってます!
Power to The Songs!
歌に力を!