- 2024年09月16日
- みかんのふるさと(生徒作品)
- 2024年08月19日
- 見果てぬ夢(生徒作品)
- 2024年07月22日
- 【作詞教室・爽塾】2024年前期_Lesson08
- 2024年07月08日
- 【作詞教室・爽塾】2024年前期_Lesson07
- 2024年05月20日
- 【作詞教室・爽塾】2024年前期_Lesson04
昨秋スタートした講座もあっと言う間に10回目のレッスンとなりました。
今回は「ちょっと翳りのあるメロディーに沢村さんがどんな歌詞をつけるのか?」と思っていましたが、「ハマり過ぎるのもちょっと怖いかも?」みたいなドキドキ感もありました(笑)。届いた歌詞は予想を超える問題作(?)でしたが、これもまた沢村さんの意欲の現れと受け取っています。
よくよく聞いてみると、沢村さんはライターのお仕事の締め切りに追われる毎日のようで、多忙な日々の中で課題に取り組んでくださっていることにこ敬意を表します。
ご本人の了解のもと、以下のとおり、作品レビューの一部を公開します。
----------------------------------
ウソノボウリョク
作詞:沢村正一
作曲:田村信二 ←必ず入れましょう
1A)
ヘラヘラすんなよ ずっと騙してたくせに
「愛(あい)してる 愛(あい)してる 愛してる」いまさら聞き飽きた
1B) フレーズの切目なので、◆↓の箇所に全角スペース推奨
限られたこの時間 無駄にしただけ◆早く消えてくれ
1C)
★愛は残酷(ざん こく) ウソノボウリョク
二人の子供 笑う女
愛の残骸(ざん がい) 全部捨てるわ
2度と○○顔見せるな ●●●●
○の箇所、二文字分字足らず。●の箇所、ポップミュージックの歌詞ではいわばNGワードなので、要リライト
2A)
ピアスもティ ファ ニーも全部あの女(おんな)と同じ
までの愛(いと)しかった想い○消え去った ←○の箇所、字足らず?
2B) 多少読みづらいと思われるワードには、ルビを。
「あいつとは別れるよ」そんな戯言(ざれごと)で逃げるつもりなの?
↑ココ、字余りかと思いますので、要アンダーライン。
2C)
愛は残酷(ざん こく) ウソノボウリョク
二つの影が 重なってゆく
愛の残骸(ざん がい) 全部燃やすわ
2度目はもうないよ○ ●●●● ←○の箇所、字足らず
3C)
★Repeat
--------------------------------------
【総評】
■印象
1)全般に表現がエグいですね。意欲作だと思います。採点するなら、70点くらいでしょうか。サビの完成度も悪くないです。
■修正希望点
1)タイトルにもなっている「ウソノボウリョク」というワードに関して言うなら、「ボウリョク」という言葉と対になるような、相手の嘘にヒロインが傷ついたトラウマの描写が欲しかったかなと思います。
あと、怒りがマックスになっているヒロインの心情は理解できますが、伏せ字にした箇所のワードは、歌い手が誰であれ、ポップミュージックの歌詞には不向きですので、それを公共の場で歌う、ラジオで流す、ウェブで公開するというのは、メジャーデビューしているアーティストであれば難しく、なんとも微妙な感じは拭えません。
大前提として、ポップミュージックの歌詞は「歌い手を魅力的に見せる」ミッションを背負っているので、「愛する人に裏切られ、単に怒りをぶちまける」だけでなく、テーマが怒りであっても、聴き手に何かしらの示唆やら気づきをもたらしたいところです。
例えば、以下の要素を歌詞に滲ませることで、ストーリーに深みが出るはずです。
・相手の男性の奥さんに向けての「あなた、(誠実なふりをした)旦那さんに騙されてますよ」的な思い
・一定期間、相手に騙されていても気づかずにいた自分への憐憫、哀れみの感情
・自分だけでなく、家族をも騙している相手の罪がいずれ因果応報となることへの期待など
2)繰り返しになりますが、企画の段階で必要なのは、以下の点です。
「できるだけ登場人物のディテールについて想いを巡らせ、それを言語化していく」こと。これを地道にやっていくことで、歌詞により深みを持たせるためのストーリー展開への糸口が見つけやすくなります。
■構成、表記ルールなど
1)赤字参照のこと。
字足らずと思われる箇所、思わず自分で直しそうになりましたが自粛しました。いずれの箇所も、造作なく直せるかと思います。
--------------------------------------
>沢村さん
インパクトの強さということで言えば、過去にレビューしたアマチュアの方の歌詞の中では出色の出来だったかもしれません。
ぜひとも仕上げてください!
Power to The Songs!
歌に力を!